雪深い冬を越え、やわらかな彩りに包まれる春の十日町市。
長い雪の季節があるからこそ、この地の里山には、季節の移ろいを五感で味わえる特別な時間が流れています。

越後松代棚田群 星峠の棚田

現代アートが点在する風景、雪解け水に育まれた食、そして人のぬくもり。雪がまだ残りながらも、ふわりと漂う湿った土の香りが、確かに春を感じさせます。

自然と文化が溶け合う十日町で、心ほどける里山の旅を楽しんでみませんか。

春の里山を感じるコトモノ

■美しいブナの林で深呼吸を…「美人林(びじんばやし)」

松之山松口の丘陵地に広がる、約3ヘクタールのブナ林。
樹齢およそ100年のブナがすらりと立ち並ぶ風景は、思わず足を止めたくなる美しさです。

大正末期に木炭用として一度すべて伐採され、山は裸地となりましたが、翌春にブナの若芽が一斉に芽吹き、長い年月をかけて現在の豊かな林へと育まれていきました。現在は多くの野鳥が生息する、自然観察のスポットとしても親しまれています。

雪が多い年の春には残雪の中に芽吹く若葉が、確かな春の訪れを教えてくれます。「根開(ねあ)け」と呼ばれる、木の根元から雪が解ける様子は、十日町の早春の風景のひとつです。3月中旬頃~
美人林について詳しく

■きものの街が華やぐ季節「十日町きもの彩時記」

雪国の春にあわせ、きものの街・十日町が華やかに彩られる季節。歴史ある織物文化に育まれてきた十日町は、染めと織りの両方の技術をあわせ持つ、全国有数のきものの産地です。

この時期、市内では「十日町きもの彩時記」と題し、きものの魅力を“見て・着て・感じる”多彩な催しが展開されます。

十日町きものまつりの様子

きものの街を彩る春の一大イベント「十日町きものまつり」では、例年 歩行者天国などでの様々な楽しい催しや、きものの貸出しや着付けを行う「きものの里をきもので歩こう」のほか、十三詣りや稚児行列などの伝統行事が行われます。また同日には、十日町市の「二十歳のつどい」も開催され、華やかな振り袖姿が街を彩ります。

十日町きものまつりの様子

「~職人探訪~ 十日町きものGOTTAKU(ごったく)」では、これまで関係者以外は見る事ができなかった、十日町市内にある「きもの関連企業(糸撚り、織り、染め、加工、メンテナンス)」工場内を一般の方々に特別に公開します。

期間中は、多彩な企画が開催されるほか、きもの姿で対象店舗を訪れると特典が受けられるサービスも用意されています。

里山のやわらかな春景色の中で、装う楽しみとものづくりの奥深さに触れてみませんか。開催期間:例年4月上旬~6月上旬
十日町きもの彩時記の見どころへ

■里山が育んだ、十日町の名物「へぎそば」

十日町を訪れたなら、一度は味わいたい郷土の味が「へぎそば」。
布海苔(ふのり)と呼ばれる海藻をつなぎに使うのが大きな特徴で、つるりとなめらかでありながら、コシのある食感が楽しめます。

器に美しく並べられたひと口サイズの盛り付けは、織物の糸を表現しているともいわれ十日町ならではの意匠。
織物産業が盛んだったこの地の歴史と、食文化が結びついて生まれた一品です。

澄んだ雪解け水に恵まれたこの地域で育まれてきた味わいは、素朴でありながら奥深いもの。
里山めぐりやアート散策の合間に、土地の風土が息づく食をゆっくりと味わってみてください。
食べる前に知りたい「へぎそばのひみつ」

雪国の暮らしの知恵を体感する里山ステイ「雪の家 古澤邸」

日本一の大河・信濃川のほとりにたたずむ、築約150年の古民家を再生した1日1組限定の一棟貸しの宿。
「雪国の日常に触れる滞在」をコンセプトに、太い梁や建具など、雪国の暮らしの知恵を感じながらゆったりと過ごせます。

実はこの屋敷、広さから住むには大きすぎて買い手や借り手がつかず解体寸前だったところを、地域でゲストハウスの運用している事業者が、地域の方の想いや雪国の伝統文化を感じられる建物を守りたいという想いで、宿として再生したストーリーがあります。

再生の過程では、たくさんの江戸時代の手紙や歴史的文献が見つかっており、集落の歴史や雪国の歴史が詰まったこの場所で、雪国らしさを存分に感じられるお宿です。

いくらでもモダンにオシャレにすることはできるものの、それでは「古澤邸」ではなくなってしまうと、この場所がかつて持っていた機能や賑わいも感じながらも、旅行者が快適に過ごせるバランスにもこだわられた設計。寒さ対策には薪ストーブ・エアコン・ファンヒーターで快適に過ごせるようになっています。

また、郷土料理づくり、山菜採り、農業、里山トレッキングといった体験メニューを通じ、地域の方とのふれあいを楽しんだり、十日町の日常に入り込むようなアクティビティを体験できます。

雪解け水が育てた米や地元野菜、発酵文化が息づく郷土の味覚も大きな魅力。
春には周辺の里山で山菜採り体験も楽しめ、季節とともにある暮らしを体感できます。


1日1組限定の特別な里山ステイ
地域の思いが詰まった大屋敷はなぜ宿に?取材記事はこちら

里山とアートを、春の光のなかで味わう「大地の芸術祭 オフィシャルツアー」

越後湯沢駅発着で参加できる大地の芸術祭の公式バスツアー。
広大な越後妻有エリアに点在する作品群を、たっぷりと巡ることができる人気のプログラムです。

Photo Kanemoto Rintaro

雪解けが進む春の里山では、やわらかな陽光のもと、棚田や集落が少しずつ色づきはじめます。
そんな季節の移ろいを感じながら、アートと風土が溶け合う越後妻有ならではの風景に出会えます。

ツアーにはオフィシャルガイドが同行し、作品の背景や地域の暮らし、里山文化まで丁寧に解説。
個人で巡るだけでは気づきにくい物語に触れられるのも大きな魅力です。

「奴奈川(ぬながわ)キャンパス」の窓辺にて

移動中の車窓には、雪国特有の家並みや、芽吹き始めた山々の表情が広がります。
冬から春へと向かうこの時期ならではの、みずみずしい里山の息吹を体感できるでしょう。

内海昭子「たくさんの失われた窓のために」

昼食は、地域の食材をふんだんに使ったメニューをご用意。
山菜など春の恵みが並ぶこともあり、越後妻有の文化を味覚からも楽しめます。

イメージ

芽吹きの季節、里山の物語をより深く知るアート旅へ出かけてみませんか。
ガイド付きでめぐる里山アート旅

春の十日町には、心をほどく出会いが待っています。
次の旅先に、里山とアートのまちを選んでみませんか。

■「アートと暮らし、 心とけあう里山の旅」をご提案